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[メッセージ] 伊藤唯眞

風景や人物に直接対面して制作し傍観せず自然と一如になった共生の世界の中で作品を完成させている 芸術の道と佛教の道は一つとして永年絵画制作に精進して来た 衆生済度の佛の本願念佛への信仰が中心に在る まさに遠藤剛熈は宗教者的芸術家である 作品の中に神佛の風韻が感じられる

伊 藤 唯 眞(浄土宗総本山知恩院門跡)

 

 遠藤剛熈美術館開館10周年記念展開催、おめでとうございます。私は以前、奈良そごう美術館と遠藤剛熈美術館で二度鑑賞する機会がありました。そのときに拝見した多くの作品、中でも特に、南禅寺の風景の油彩画の重厚な作品や、黒と白で描かれた日本の女性の立つ姿は印象に強く残り、今日も深く心に留めております。
 遠藤剛熈さんは30代に佛教大学で学び、私の父伊藤真徹の授業から、深い人間的感化を受けたことを今も大切にしておられます。坪井俊映教授指導の卒業論文「セザンヌと佛教」が注目され、卒業生総代に選ばれています。
 60年間に制作された2000枚の作品は、風景や人物に直接対面して制作し、傍観せず自然と一如になった共生の世界の中で作品を完成されています。遠藤さんは芸術の道と佛教の道は一つとして、永年絵画制作に精進して来られました。衆生済度の佛の本願念佛への信仰が遠藤さんの中心に在ります。まさに遠藤さんは宗教者的芸術家です。作品の中に神佛の風韻が感じられます。
 本日は知恩院の避けられない公務のため出席できず誠に残念ではありますが、ご盛会を祈念しております。遠藤さんのご健康とさらなるご精進と、美術館のご発展をお祈り申し上げます。

               (浄土宗総本山知恩院門跡)

 
 
 
 
 
 

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