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裸形の大樹が大地に立って在る。


裸形の大樹が大地に立って在る。


一本の大樹が立って在る。
何百年、千年も嵐や日照りに負けずに生き続けてきた裸形の大樹。
自然(じねん)にあるということ、ただそれだけの、何と偉大で尊厳で雄壮で剛健なことか!
大樹は黙って立ってきた。動物。特に人間がよくしゃべる。
あまりしゃべりすぎて沈黙することを忘れがちだ。
自然を深く見ることも、自然の声を黙って聴くこともめったにしない。
人間は大樹の元に、時々やってくる、短い命の動物の一つに過ぎない。
画家は一本の樹木を見つづけ、描くだけでも、一生涯かかる。
それでもまだ描ききれないだろう。

 
 
 
 
 
 

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